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各国領事・各国法律 Legal Reference

入管法、戸籍法、国籍法、国際私法、各国家族法・移民法など在留資格に関係する法律について

戸籍法ガイド

日本には、「戸籍」という制度があります。
これは日本人の身分関係・家族関係を登録しておき、
公的機関によって証明書を発行する際に利用されます。

戸籍については、「戸籍法」という法律がルールを決めています。
ここではざっくりとそのルールを見ていきます。

戸籍を扱う機関

市町村長となっています(戸籍法第1条)。
ただし、法務大臣が基準を定めることができ、法務局長等が
助言、監督、指示できる場合があります(戸籍法3条)。

戸籍簿

戸籍は、1つの夫婦とその子ども(同氏)からできています。
(昔の戸籍制度では「家制度」の下、複数の夫婦もありました)
しかし、日本人が外国人と結婚した場合、外国人は戸籍に入りません
その場合は日本人とその子ども(同氏)だけで戸籍がつくられます。
(戸籍法6条)

戸籍を請求できる人

本人はもちろん請求できます。
配偶者(夫や妻)、直系尊属(父母、祖父母、曽祖父母・・・)、
直系卑属(子ども、孫、曾孫・・・)は独自に請求できます。
戸籍は、郵便等で送付を求めることもできます
(戸籍法10条)

第三者であっても請求できる場合があります。
個人情報保護の観点から、次の3つの場合に限られますが、
「何のため」に「どこに提出するのか」を明らかにしなければなりません。
(戸籍法10条の2)

1.権利行使、義務履行の際に戸籍を確認する必要がある場合
2.国・地方公共団体の機関に提出する必要がある場合
3.その他、正当な理由がある場合

このほか国・地方公共団体の機関、いわゆる士業(弁護士、司法書士、
土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、海事代理士、行政書士)
も、特定の戸籍につき目的を明らかにした上で請求することができます。
(戸籍法10条の2)

なお、請求者は、本人確認のための身分証明(運転免許書等)の提示を
求められます。(戸籍法10条の3)

「除籍」とは?

戸籍に書かれている者すべてが戸籍から出てしまったときには、
戸籍ではなくなり、「除籍」と呼ばれ、除籍簿として保存されます。
(保存期間は80年、謄本・抄本発行料も一般に高くなります)

戸籍に書かれていること

戸籍には、こんなことが記載されています。(戸籍法13条)

・本籍
・氏名
・出生年月日
・戸籍に入った原因・年月日
・実父母の氏名と続柄
・(養子)養父母の氏名と続柄
・(夫婦)夫・妻であること
・以前の戸籍
・その他

新たな戸籍が生まれるとき

こんなときに新たな戸籍が誕生します。(戸籍法16条~)

・結婚したとき
・子どもや養子ができたとき
・離婚・離縁したとき
・氏を変更、特別養子縁組、性別の変更など
・分籍したとき
・無籍者により

いろいろな届出

身分関係や家族関係が変わったときには、「届出」をして戸籍に変更を
加えます。忘れずに届け出てください。(後半は専門用語ですが一応。)
(戸籍法25条~)

・出生
・認知
・養子縁組
・養子離縁
・婚姻
・離婚
・親権及び未成年者の後見
・死亡及び失踪
・生存配偶者の復氏及び姻族関係の修了
・推定相続人の排除
・入籍(改氏・復氏など)
・国籍の得喪
・氏名の変更
・転籍及び就籍

なお、外国に在住している日本人は、外国にある大使・公使・領事に届出を
することができます(戸籍法40条)。

罰則もあり!

虚偽の届出をしたり、不正の手段で戸籍謄本を取得・閲覧した場合、
懲役・罰金などをくらうことがあります。(戸籍法132条~)

おまけ

戸籍の実務(裏話?)の詳しい内容は、このサイトへ。

国際私法(養子縁組)

養子縁組が成立するには

養子縁組とは、血はつながっていなくとも、法律上の親子関係を作ってしまおうという手続きです。
これにもどんな人が養子縁組をできるかについて各国バラバラです。
そこで、例によって、どこの国の法律に従って養子縁組が成立するかを判断しなければなりません。

では、通則法を見てみましょう。

通則法31条
「養子縁組は、縁組当時における養親となるべき者の本国法による。この場合において、養子となるべき者の本国法によればそのもの若しくは第三者の承諾若しくは同意又は公的機関の許可その他の処分があることが養子縁組の成立の要件であるときは、その要件をも備えなければならない」

つまり、原則として、養親となろうとする者の本国法によって判断されます。
これは、養子はふつう養親の元で生活をすることになり養親と同じ国籍になることが多いので養親の本国法で判断すればよいとの考えがあるからでしょう。
ただし、養子となろうとする者の本国法もみて、承諾や公的機関の許可などの要件が必要となるときには、その要件も必要だとしています。
これは、養子の本国法が養子の保護のためにあえて本人の承諾や公的機関の関与を認めていることから、養子保護の趣旨をふまえてあげようということでしょう。
いわゆるセーフガード条項ですね。

なお、「養親」という場合、父と母の二人がいることになります。
そこで、養親である父母の国籍が異なる場合には、父母それぞれの本国法をみることになります。
このとき、一方では認められ、もう一方は認められないということも起こりうるでしょう。

養子縁組の方式

養子縁組の手続きも、各国でバラバラです。
たとえば、契約だけで養子縁組ができる国もあれば、厳格な手続きを必要とする国もあります。

こうした手続き上の問題については、34条がまとめて条文をおいています。

通則法34条
「第25条から前条までに規定する親族関係についての法律行為の方式は、当該法律行為の成立について適用すべき法による。
前項の規定にかかわらず、行為地法に適合する方式は有効とする」

つまり、養子縁組の成立の準拠法か、養子縁組をした地の法律によればよいことになります。

離縁について

離縁とは、養子縁組を解消することです。
養子縁組とは表裏の関係にあることから、養子縁組の準拠法を準用します。

国際私法(親子関係)

国際的な親子関係をめぐる問題

まずは大きく次の2つに分類されます。

1. 嫡出子(法律上婚姻している両親から生まれた子)
2. 非嫡出子(嫡出子でない子)

嫡出子としての親子関係

たとえば夫が日本人で、妻がアメリカ人の場合、子が嫡出子となるかどうかについてはどこの国の法律をみればよいのでしょう。
これについては通則法の28条が規定しています。見てみましょう。

通則法28条
「夫婦の一方の本国法でこの出生の当時におけるものにより子が嫡出となるべきときは、その子は、嫡出である子とする」

つまり、出産当時の夫婦の本国法をみて、どちらかの法律によれば「嫡出子」となるのであれば「嫡出子」、としています。
このような「複数のどちらをみてもよい」という場合を「選択的連結」といいます。
嫡出子は法律的に保護されていますから、生まれてきた子の立場からすれば、できるだけ嫡出子として認めてあげるほうがいいわけです。

出生の当時」とあります。
これは、出生後に両親の国籍が変わっても、子が嫡出であるかには影響を与えないと考えるからです。
また、もし夫が出生前に死亡していた場合には、28条2項により「死亡当時の夫の本国法」で考えます。

非嫡出子としての親子関係

両親が法律上の婚姻状態になくとも、二人の間で生まれてきた子に対しては親子関係は生じます。
このとき婚姻関係のない親から生まれてきた子を「非嫡出子(婚外子)」といいます。

これには、世界各国で様々な制度があります。
「出生」という事実だけで非嫡出子と認める場合(事実主義)もあれば、「認知」という意思表示や手続きが必要な場合(認知主義)もあります。
また、そもそも嫡出子・非嫡出子を区別しないという国もあります。

そこで、非嫡出子制度について、どこの国の法律にしたがって考えるかを決定する必要があるのです。
では、例のごとく通則法をみてゆきましょう。この条文は少し複雑ですが、3つに分けて考えましょう。

1. 出生による親子関係の成立
2. 認知による親子関係の成立
3.認知そのもの

1.出生による親子関係の成立

通則法29条1項前段
「嫡出でない子の親子関係の成立は、父との間の関係についてはこの出生当時の父の本国法により、母との間の関係についてはその当時における母の本国法による」

つまり、結婚していない両親と親子関係になるかどうかは、父との関係では父の本国法、母との関係では母の本国法をみます。
それぞれの国の法律で「非嫡出子」として親子関係となることが認めれれば、父母それぞれにつき非嫡出子となります。

2.認知による親子関係の成立

通則法29条1項後段
「子の認知による親子関係の成立については、認知の当時における子の本国法によればその子又は第三者の承諾又は同意があることが認知の要件であるときは、その要件も備えなければならない」

つまり、認知によって親子関係が成立するためは、父母の本国法によって認められていることだけではなく、認知当時の子自身の本国法でも非嫡出子となることが認められている必要がある、としています。
これは、認知によって親子関係が認められれば、子は親の扶養義務をおうため、子の同意などによって保護を図ったのでしょう。
こうした特定の人の保護を図った特別の条文を、「セーフガード条項」といいます。

3.認知そのものの成立

通則法29条2項
「子の認知は、前項前段の規定により適用すべき法によるほか、認知の当時における認知する者又は子の本国法による。この場合において認知する者の本国法によるときは同項後段の規定を準用する。」

つまり、(出生後の)認知は、出生時の父母それぞれの本国法で認められていなくとも、認知時の父母の本国法、もしくは認知時の子自身の本国法で認められていれば、それだけで認知が成立するとしています(選択的連結)。
これは、子の利益のため、できるだけ認知の成立を認めようとする意図があるからです。
ただし、認知した父母の本国法によるときは、認知した当時の子の本国法の要件も備える必要があるとしています(セーフガード条項)。

なお、父が出生もしくは認知の前に死亡したときは、その「死亡当時」の父の本国法を、「出生当時」もしくは「認知当時」の父の本国法とみなします(通則法29条3項)

認知の方式

認知の手続きについては、通則法34条に定めています。

通則法34条1項
「第25条から前条までに規定する親族関係についての法律行為の方式は、当該法律行為の成立について適用すべき法による。」

つまり、「方式」についても「成立」と同じ法によるとしています。ただし・・・

通則法34条2項
「前項の規定にかかわらず、行為地法に適合する方式は有効とする」

として、加えて、法律行為を行った地の法律に適合した方式で行ったばあいもOKとしています。

「準正」という手続

準正とは、もともとは非嫡出子(婚外子)だったのが、認知後の両親の結婚(婚姻準正という)や、両親の婚姻中の認知(認知準正という)、国家機関の嫡出宣言などによって嫡出子の身分をえることをいいます(民法789条)。

このような準正の制度についても、各国バラバラなので準拠法が問題となります。

通則法30条
「子は、準正の要件である事実が完成した当時における父もしくは母または子の本国法により準正が成立するときは、嫡出子の身分を取得する。」

つまり、父の本国法、母の本国法、子の本国法のうちいずれであってもよいとしています。
これは、子の保護のため準正ができるだけ認められやすくためものです。

国際私法(国際離婚)

国際的な離婚に関わる手続きの流れ

離婚の手続きについても、世界各国でバラバラです。
「離婚」という制度を法的に認めていない国もある一方で、「タラーク、タラーク、タラーク」と唱えるだけで離婚成立!なんて国もあるわけです。

これは、宗教上の影響が強いのでしょうが、いずれにしてもどのように離婚の手続きを行うかについては検討が必要です。

1. 準拠法の問題…どこの国の法律にしたがって判断するか
2. 裁判管轄の問題…どこの国の裁判所で結着をつけるか
3. 判決承認の問題…外国での離婚が国内でも通用するか

すくなくとも、この3つについて考える必要があります。

どこの国の法律にしたがって離婚を判断するか

たとえば、日本に住んでいる日本人男性とフィリピン人女性が日本で離婚しようとする場合を考えてみましょう。
まずは、どこの国の法律に従って、離婚を判断するかについて見なければなりません。

通則法27条
「第25条(婚姻の効力)の規定は、離婚について準用する」

すなわち、25条を見てください、と。

通則法25条
「婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において夫婦の常居所地が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も密接な関係がある地の法による。」

これは、前の項で説明したように次の順番で優先的に決まります。
1.夫婦の本国法が同じ(例:夫婦二人とも中国人)ときは、その本国法
2.夫婦の常居所が同じ(例:夫婦二人ともニューヨーク在住)なら、その地の法律
3.夫婦に最も密接な関係がある地の法律

つまり、ずっと日本で住んでいる日本人・フィリピン人夫婦なら、「2」の日本の法律ということになりそうですね。

ただし、これには例外があります。もう一度通則法を見てみますと…。

通則法27条但書き
「ただし、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは、離婚は日本法による」

ここでも日本人には特別な規定を置いています。
夫か妻が日本であって、日本に一定期間住んでいたような夫婦の場合は、日本法にしちゃいましょう!と。
まぁ、日本人(というより日本の裁判官のみなさん)にとってはわかりやすい結論になります。
こういう日本人だけ特別扱いをしている法律の条文を、「日本人条項」というのでしたね。

離婚を判断する機関

さて、離婚の際には、いろいろな機関が関与する場合が考えられます。
たとえば裁判所や行政機関、あるいは教会などの宗教機関などです。

日本では協議離婚により紙切れ一枚!?で離婚することもできますが、離婚調停離婚審判離婚裁判などの手続きも用意されています。
このような手続きを厳密にみてゆくと、その国特有の機関(たとえば「家庭」裁判所なるもの)でしか離婚できないことになりかねないので、家庭裁判所も外国でいう裁判所の括りに入れてしまうなど若干は緩やかに判断する場合もあるようです。

離婚の効力

では、何が通則法のいうところの「離婚の効力」にあたるのか。
ご存知のように、離婚の際には「婚姻の解消」そのものだけでなく、他に色々な法律問題を生じます。

・氏(いわゆる苗字)をどうするか
・夫婦財産の精算、慰謝料の算定
・子の扶養、親権者の指定

こうした問題が「離婚」の準拠法に入るのか、それとも通則法の「他」の条項で判断されうのかは議論があります。

国際私法(国際結婚)

婚姻はどうしたら成立するか

まずは、婚姻の成立の条件についてです。

外国人と結婚する場合には、まずこの規定が問題となります。
通則法を見てみましょう。

通則法24条1項
「婚姻の成立は、各当事者につき、その本国法による。」

「各当事者」とは、夫婦となる男女それぞれの、という意味です。
「本国法」とは、国籍のある国の法律と思って一応OKです(*)。

つまり、夫婦それぞれが、それぞれの国の法律によって判断されるということです。

*アメリカのように「州」ごとに法律が違う国は、一般に州の法律によります(通則法38条3項)

ここで問題となるのはこんな場合です。
婚姻年齢…年齢がいくつになったら結婚できるか。
再婚禁止期間…離婚したあと、いつになったら再婚できるか。
近親婚の禁止…親族間での結婚が許されるか。
重婚の禁止…二人以上の者と結婚(例:一夫多妻)できるか。

基本的には、夫婦それぞれの国の法律を調査して、結婚できるかを判断します。

ただし、例外的に、重婚の禁止など外国で認められる場合でも、日本の公の秩序や善良の風俗
公序といいます)に反すると考えられる場合には、適用しない場合があります(通則法42条)。

婚姻の手続のしかた

夫婦となりたい二人が結婚するためには、婚姻の手続きを済ませる必要があります。
(たとえば、日本では「婚姻届」さえ出せば結婚式を挙げなくても婚姻が完了します。)
この婚姻手続についても、世界各国でバラバラであるため国際私法の規定が必要です。
いったい、どこの国の法律に従って、婚姻手続きを行えばよいのでしょう。

通則法24条2項
「婚姻の方式は、婚姻挙行地の法による。」

つまり、原則は結婚した場所の法律に従えばOKということです。

ただし、通則法24条3項に補足があることに注意です。
「前項(24条2項)にかかわらず、当事者の一方の本国法に適合する方式は有効とする。
ただし、日本において婚姻が挙行された場合において、当事者の一方が日本人であるときは、
この限りでない。」

つまり、夫婦どちらかの国の法律に従った結婚の仕方でもOKですよ、としています。
ただし、夫婦どちらかが日本人で日本で結婚した場合には婚姻届がないとダメ、です。
(これを日本人条項といいます。戸籍制度をもつ日本では届出を重視してるんですね。)

婚姻したら身分はどうなるか

では、無事に結婚できたとしましょう。
次に、結婚したら、夫婦それぞれにどんな権利を得たり、義務を負うのでしょう
これも世界各国でバラバラなので、国際私法を見る必要があります。

通則法25条
「婚姻の効力は、夫婦の本国法が同一であるときはその法により、その法がない場合において
夫婦の常居所地が同一であるときはその法により、そのいずれの法もないときは夫婦に最も
密接な関係がある地の法による。」

少し長い規定になりますが、3つのヒント(連結点)が書かれています。
1.夫婦の本国法が同じ(例:夫婦二人とも中国人)ときは、その本国法
2.夫婦の常居所が同じ(例:夫婦二人ともニューヨーク在住)なら、その地の法律
3.夫婦に最も密接な関係がある地の法律

まずは1、1がなければ2、2がなければ3の順番で優先的に適用されます(段階的連結)。

ここで、「常居所」という聞きなれない言葉がでてきています。
常居所とは、法律上定められる「住所」とは少し異なる意味だとされますが、基準は不明確です。
一応、日本国内の場合は住民票(日本人)や1年以上の在留資格(外国人)に、国外の場合は
原則5年以上の滞在(日本人)や、本国での住民登録(外国人)に認められているようです。

さて、夫婦としての権利・義務にはどんなものがあるのでしょう。
成年擬制…結婚すると未成年者としての取引上の保護がなくなるか。
夫婦の氏の決定…夫婦どちらかの氏に統一しなければならないか。
同居義務…夫婦は原則同居しなければならないか。
貞操義務…夫婦は貞操を守らなければならないか。
日常家事債務の責任…夫婦は日常家庭生活上の債務に連帯責任を負うか。

こうした問題を解決するためには、まず国際私法によって、どこ国の法律をみればよいを調査します。

婚姻したら財産はどうなるか

結婚後の夫婦に生じる効果については以上のとおりですが、財産関係に特別の規定があります。
条文も長いので、簡単にまとめておきます。

通則法26条1項
「前条の規定は、夫婦財産制について準用する。」

基本的には前条と同じです(ただし考慮すべき事情は財産的な視点から)。
しかし、夫婦の財産について書面で契約をした場合(夫婦財産契約)には、これを優先します。

夫婦の一方の国籍国法(本国法でないことに注意!)
夫婦の一方の常居所地法
不動産の関しての不動産所在地法

上の3つの中から自由に選択できることになっています。
(「契約」ですから自由度が高いのですね。)

ただし、夫婦以外の人(第三者といいます)にも契約の内容を主張するためには、きちんと
契約の内容を登記しておくか、そうでなければ原則通り日本法で判断されることになります。
(これは、日本での取引の安全に配慮したものです。)

国際私法(ガイド)

国際私法とは?

結婚や離婚、相続や遺言の手続きは、日本では「民法」という法律で決まっています。
しかし、外国ではまったく違った法律の規定が置かれている場合があります。

たとえば日本では、結婚できる年齢は男性18歳、女性16歳とされていますが、
外国では15歳で結婚できるとされている国もあれば、年齢制限がない国もあります。
では、日本人が外国人と結婚する場合、一体どこの国の法律に従えばよいのでしょう。

ここで、でてくるのが「国際私法」という法律です。

国際私法は、「どこの国の法律に従って考えるかを決めるためのルール」です。
日本では、「法の適用に関する通則法」という名前の法律が、国際私法です。
(もし六法を持っていたら、索引はこの名前で調べてみてください。)

日本の裁判所は、まずこのルールに従って、まずはどこの国の法律で考えるべきかを判断します。
そして、日本の法律、アメリカの法律、中国の法律というふうにその中身を見ていくことになります。

国際私法の読み方

国際私法は、このように、どこの国の法律を適用するかを示す「自動振り分け機」みたいなもの。
ですから、他の法律と比べても、その読み方が少し特殊です。

たとえば、法の適用に関する通則法をみると、こんな風に書いています。

通則法24条2項「婚姻の成立は、各当事者につき、その本国法による。」

これは、結婚できるかどうかは夫婦それぞれの本国法に従って判断します、ということです。
ちなみに、「本国法」とは、一般に国籍をもつ国の法律と考えればよいです。
夫が日本人なら夫は日本の民法で、妻が中国人なら妻は中国の法律で考えることになります。

このように、問題となるテーマ(結婚、相続など)ごとに、「どこの国を使って考えなさい!」と
国際私法は指示してくれています。あとはその国の法律をみればよいことになります。
そこで、まずは、何が問題となるテーマなのかを見極める(これを法性決定という)が大切なのです。

法性決定がなされれば、テーマごとに適用される法律を探し出すためのヒント(これを連結点という)が
国際私法に書かれています(「本国法」など)。
そのヒントに従って、適用されるべき法律(これを準拠法という)を探せばOKです。

まとめ

まとめてみますと、こういう図式になります。

「国際的な問題 → 法性決定 → 連結点 → 準拠法 → 問題解決」

それでは、実際の国際私法の条文について見ていきましょう。

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