在留資格の手続きは入国管理局
それでは、具体的に在留資格の手続きについて見ていきましょう!
前の記事では、外国人が日本に滞在し活動するには在留資格が必要だと学びました。この在留資格を与えるかどうかを決めるのは、入国管理局という国の機関です。入国管理局(略して「入管」)は、全国にあります(詳しくは入国管理局のホームページへ)。
在留資格をとるには、入管に申請書と添付資料を提出することになります。ここでは3つの手続に分けて簡単にみてみましょう。それぞれの手続きで、手順や必要書類が異なります。
1.新たに在留資格を取得する手続
2.別の在留資格に変更する手続
3.今の在留資格を更新する手続
1.在留資格の取得
外国人の呼び寄せ・招へい(在留資格認定証明書)
まずは、外国にいる外国人を日本に呼び寄せたい場合です。仮に日本にいる中国人のワン君が、妻のテイさんを日本に呼びたい場合を考えてみましょう!
ワン君はまず、収入証明や在職証明などの必要な書類を勤務先の会社や市役所で取得します。これは、ワン君が奥さんを日本で呼んでもきちんと二人、日本で生活ができることを証明する書類です。また、中国で結婚したことを証明する婚姻証明書とテイさんのパスポートのコピーなどを奥さんのテイさんから送ってもらいました。これはテイさんがちゃんとワン君の奥さんであることを証明するためのものですね。
次に、テイさんと結婚した経緯を書いた質問書と、なぜ奥さんを呼びよせるのか、日本できちんと生活ができるか等を説明した理由書を書いて、申請書と一緒に入国管理局に提出します。このとき、日本で在留資格をとろうとしている申請人(テイさん)が日本にいないので、代わりにワン君が夫という代理人の立場で申請をします。
このような呼びよせの手続は、在留資格認定証明書(略して「認定」)の申請手続と呼ばれます。
2ヶ月ほどたつと、ワン君の家に入国管理局から封筒が届きました。ここにはハガキより少し大きな文書が入っています。これが「在留資格認定証明書」です。(在留資格そのものではありません)
早速、ワン君はこの認定証明書を中国にいる妻のテイさんに送付しました。数日後テイさんが認定証明書をもって、中国にある日本大使館にビザ(査証)の申請をします。すでに日本国内で審査がされて認定証明書(いわばお墨付き)がでているので、手続きもスムーズです。
テイさんは、日本大使館からビザ(査証)をもらうと、すぐに日本にやってきました。空港の入国カウンターで、テイさんはビザ(査証)の付いたパスポート(旅券)を提示します。そして、テイさんは日本で働くワン君の妻として「家族滞在」の在留資格をもらうことができました。空港の入国カウンターを出てバゲージクレームで大きなリュックを抱え上げると、テイさんは逸る気持ちを抑えて早足で出口の方へ。そこには、半年ぶりの再開となる夫のワン君が大きく手を振って待っていました・・・。めでたし、めでたし・・・となるわけです。
まとめますと・・・。
- 会社、学校、配偶者などが在留資格認定証明書の申請をします。
- 入国管理局で審査をパスすれば在留資格認定証明書がもらえます。
- この在留資格認定証明書を外国にいる外国人(申請人)に送付します。
- その外国人は、日本の大使館等でビザ(査証)を申請します。
- 外国人がビザと証明書をもって上陸すると日本で在留資格がもらえます。
- 在留資格をえた外国人は、日本で一定の活動をすることができます。
このような外国人を日本に呼ぶ場合に申請するのが在留資格認定証明書です。これを取得しておくと、ビザ(査証)や在留資格の取得がスムーズです。日本にやってくる前に、あらかじめ在留資格を予約するようなイメージですね。ただし、厳密には必ず在留資格が与えられるというわけではありません。
新規取得(在留資格取得)
これとは別に、すでに日本にいる外国人が新たに在留資格を取得する場合もあります。外国人に新しく子どもが生まれたり、日本人が国籍変更して外国人になったような場合です。この場合は、すでに日本にいるので入国の手続はありませんので認定証明書は必要ありません。代わりに、入国管理局に行って直接在留資格取得の申請をすることになります。
2.在留資格の変更
次に、留学生が会社に就職して働く場合や日本で働く外国人が日本人と結婚する場合など、すでに日本にいる外国人が今までの在留資格を別の種類の在留資格に変えるときの手続です。
これを、在留資格の変更といいます。これについても、韓国人で留学生のリーさんが日本で就職が決まった場合を考えてみましょう!
韓国人のリーさんは、5年前に日本に来ました。1年間の日本語学校での勉強のあと、無事に京都にある私立大学に入学することができ、経営学を学ぶ学生として4年間京都ですごしました。最初は大学院に進学してMBAの資格をとろうと思っていましたが、円高の影響で仕送りも厳しく日本で就職活動をすることにしました。ちょうど、大阪の会社が新たに韓国との取引を扱おうとしており、ビジネスのわかる通訳を探しているのを知りり、人の紹介で面接を受け無事に内定をもらいました。
リーさんは卒業を前に、「日韓貿易」についての卒業論文を仕上げ、あとはビザの変更をするのみです。
リーさんは、まず正式な内定通知書を会社からもらい給与額や勤務内容を確かめました。会社に尋ねてみると、会社は必要な書類は準備するけれども、申請書の提出はリーさん自身で行って欲しいということでした。会社の財務書類や登記簿謄本、法定調書合計表などの書類を受け取り、さらに申請書に会社のゴム印と代表印をもらって仕上げると、リーさんは入国管理局に在留資格の変更申請をしにいきました。
3週間ほどして、入国管理局からハガキがきました。4000円の印紙とパスポートをもって入管の窓口に来るように書いています。リーさんは入管のとなりのコンビニで印紙を買って窓口に行きました。パスポートを窓口の職員に渡して20分ほど待つと、無事に新しいビザのシールが貼られたパスポートがもどってきました。そしてそこには、新たに「人文知識・国際業務」(1年)のシールが。
これで、正式に大阪の会社で新しい生活を始めることができそうです。リーさんは期待に胸を踊らせて、入管の大きな建物を後にしました・・・。
と、まとめますと・・・。
- 国内にいる外国人が入国管理局に在留資格変更の申請をします。
- 入国管理局の審査をパスすれば、新しい在留資格がもらえます。
注意: 短期滞在の在留資格は、原則として変更はできません。
3.在留資格の更新
最後に、同じ在留資格のままで滞在期間を延長するための手続が更新の手続です。在留期間をすぎた後も引き続き同じ在留資格で日本で滞在し活動をするためには、更新が必要になります。手続きの流れは、変更の場合とそれほど違いはありません。どちらも外国人が日本にいる場合の手続きだからです。
更新は「変更」の場合より一般に提出書類も少なく、審査にかかる期間も短いのがふつうです。ただし、離職後に別の会社に転職したり、離婚後に別の人と再婚した場合には、実質的には「変更」と同じような内容の申請と時間がかかることになります。
もし、この期間をすぎてしまうと不法滞在(オーバーステイ)になります。外国人も雇用主も処罰の対象になりますので十分に気を付けてください。
以上、新規取得、変更、更新の3つの手続きを見てきました。それぞれに添付書類の多さや、審査にかかる時間は異なりますが、どれも入国管理局に申請書と添付書類を提出することは変わりません。もし、疑問点などがあれば入国管理局のウェブサイトで調べたり、問合せ電話で尋ねたりすることができます。添付書類が足りなかったり、申請の種類を間違えると、余計な時間がかかってしまうことになります。しっかり調べてきちんと揃えた書類を出したいですね。





